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バレーボール元日本代表監督、中垣内祐一が“米農家”に異例の転身
自分の力だけでなく、人に助けられるセカンドキャリア
中垣内祐一さん、バレーボールで元日本代表主将、スーパーエース、元日本代表監督として東京オリンピック7位との輝かしい実績。
その中垣内さんは、現在「米農家」と「大学教授」を両立するセカンドキャリアを積まれています。
家業なので50歳になったら実家に帰って農家を継ごうと20代の頃から決められていました。耕作する田んぼは33ヘクタール。東京ドーム6、7つは優に超える広さ。育てる米は化学肥料を使わず完全有機肥料を用いて農薬をギリギリまで減らしてつくる特別栽培米。
費やす時間や作業工程に適した収入が得られるかと言えば「ボランティアではないかと思うぐらいお金にはならない」と苦笑い。それでも、土や水に触れ、季節の移り変わりを楽しまれている。
2021年日本代表監督を退き、生まれ故郷の福井へ戻った。前述の通り、家業を継ぐための帰郷だったが、同じ頃「せっかく福井に帰って来たなら」と福井工業大学の運営母体である金井学園の理事長から大学バレーボール部の総監督と教授の打診を受けた。自身のライフプランには全く想像もしなかった申し出だったが、故郷の役に立てるならと受諾。ただ大学の職員の方が学生に向けて『中垣内先生がバレーボールの人だって知っているでしょ?』と聞いたら『知りません』って。
自分を知っているのが当たり前だった場所から、知らないのが当たり前という場所で生きる今。教授という「教える」立場はむしろ、学ぶことばかりだと。授業をするから聞くのが当たり前じゃない。むしろ学生が飽きたり、寝ちゃったりする授業をするほうが悪いんだなと思ったので、パワーポイントでいろいろ資料を入れたり、飽きられない工夫をしている。今までは自分に矢印を向けて、一生懸命やれば何でもできると思ってきたが、農業も大学もそうじゃない。人の力を借りないと何もできないし、改めて、いろいろな人に助けられているのを日々実感。
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