愛すべきトホホ人図鑑
「ちょっといいですか、そもそも~」
正しい人は、丁寧な人が多い。正しく伝えたい!という思いのあまり、いろはの「い」から解説してくれる傾向がある。そもそもの状況の解説、エビデンスの提示、過去の事例、自分の意見、など並べていくうちに、聞いているこちらは、最初のテーマが何だったかわからなくなってしまう。うなずきながら(あれ…何だっけこの話)」と思っているのはあなただけではない。遠い旅に出た話の筋は最終的に「なので、そもそもこの話は課題から間違っているのである」と帰結することも。え、ならそれだけ言えばいいのでは? セイロンさんは、結論を言いたいわけではない。正しい「態度」を示したいのである。
メールのやりとりで数時間
セイロンさんとの正しいやり取りは、メールでも変わらない。本筋ではなくても気になるところはどんどん返信し、細かいメールのラリーが続いてしまうことも。もう、インラインが重なりすぎて理解できない。気になるところすべてをクリアに納得できたら気持ちがいい。それはそうだ。そうだけど、正しい態度に付き合うのって結構エネルギーいるのよ。結論出さないと、時間も過ぎていくのよ。
これわたし?と思ったら
偉大なるはスルー力
セイロンさんは、セイロンが生き方なので、変わることは期待しないほうがいいかもしれない。よって、受け手に必要なのは、「スルー力」。これに尽きる。セイロンさんの細かいお話に付き合って苦しんでしまうあなたも、もしかしたらセイロンさん気味のひとなのだ。ここはお互い大人として、話のコアだけつかんでスルーしあって、物事を先に進めよう。
愛すべきトホホ人図鑑とは
自分のことって自分では意外とわからないもの。「それなりにがんばってきた。成果だってなかなかのもの(周りもそう思ってくれているに違いない…)」。と思っていても、長所と自認するところはちょっと鼻についていたり、短所と思っているところが意外と人に愛されていたり。そこかしこにいる「愛すべきトホホ人」の中に、もしかしたらあなたに似た人がいるかもしれません。違う角度から自分を見つめ、「次のじぶん」への一歩を踏みだすステップを、広く、軽くするきっかけになれば幸いです。
執筆者:ふしみしょうこ
ライター
北海道生まれ東京在住のコピーライター。会社勤めと並行して、ふるさと北海道にまつわるコラムを書いたり、精神的支柱である演劇の界隈で活動、執筆する。人生は劇場であり、いただいたお役を工夫して演じるのが面白さ、という気持ちで生きております。